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日産グロリア グランツーリスモです。
いわゆるY33型です。

異形ヘッドライトが全盛期の折、この丸目のデザインは
貴重でもありました。
昭和50年代の前半までは、規格品が多かったため、同じ
大きさの丸目が多かったのです。
ヘッドライトまでデザインが廻らなかったのか?
異形を作る際の、技術とコストがクリア出来なかったのか?
それとも使用者が異形を嫌っていたのか?
それはわかりません。
その後は、右へ倣えで異形ヘッドライト全盛期が今でも続いてます。

その流れに反し、平成3年に登場したY32型のグランツーリスモから
大胆に丸目が復活しました。
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この丸目が復活した時の衝撃はかなりのものでした。
クルマのデザインでこの部分は「華」である部分です。
それを懐古主義、または復古主義と思われても仕方ない手法を
取り入れたデザイナーの英断に感服したものです。
しかし、Y32の内装は・・・でしたがね。(笑)

平成3年前後から、部品点数の削減が本格的になりました。
そして殺風景なクルマが増えたことが、クルマ離れを助長したと
個人的に思ってます。
当時、試作に携わってましたから。
Y32は不幸にもその真っ只中でした。
その反省を生かしたのが次期モデルであった、このY33だと
思います。
内装もソリッドな感覚から、昭和の時代のY31に戻った材質や
デザインに変更されてます。
ソリッドさを抑え、ウェットな感覚になりました。

 

時代は繰り返すのでしょうか?
あのイングランドの高級車:ロールスロイスの姉妹車である
ベントレーの現行車も丸目です。
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BMWの現行車も、異形ヘッドランプの中に丸目を入れているデザインを
踏襲しているものが多いです。
これは、世界一綺麗なクーペボディーと賞賛された635csiです。
わたしも欲しかった!
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最近では、ヘッドライトの周囲で丸く照射するポジションランプ、
通称「いかリング」もBMWの純正として、世界ではじめて採用
されたアイテムです。
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効率やコストばかりを重視した今の世の中。
寒色系のLEDのクリスマスツリーなど、違うだろ!と思いませんか?
寒々しく感じるばかりです。(怒!)
色彩のセンスが感じられないんですよね。
色弱のわたしが言うのも、可笑しいのかのしれませんが。。。(爆!)

各地に昭和の時代を再現したり、その古さを逆手に取った町興しが
活発なのは周知の通りです。
わたしらは、暖かさを求めているのではないか?
ウェットを求めてるんじゃないか?
決して楽ではない、田舎暮らしに憧れるのも、懐古的な流れだと思います。
なにかこのY33が、現代に対するアンティテーゼに感じるのは
わたしだけでしょうか?(笑)

これからのクルマのデザインは、どのような方向に向くのか?
プリウスのような効率化?
それとも利益幅の大きな高級車?
だったら、ベンツやベントレー、そしてアストンマーティンには、
まだまだ勉強不足ですな。。。