いつの間にか、日産サニーもティーダにチェンジしてしまいました。
廃版ってわけです。
グロリア、セドリック、シーマ、パルサー、プリメーラ、ローレル・・・
みなさんご存知のビッグネームも既に鬼籍に入ってしまいました。
わたしら40代以上のオジサンには、寂しい限りです。
が、これまでのユーザーの「天の声」というしがらみから抜け出し、
新しいチャレンジをするためには、必要なのかもしれません。
新ネームの各車を大切に作って、販売に繋がることを切に望んでます。

さて、本日はB14型サニーが車検で入庫しました。
カローラに比べて、とっても不人気でデビューした可愛そうなサニーです。
しかし、わたしにはほお擦りしたくなるほど、可愛いヤツなんです。
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実は部品メーカー時代に、このクルマの開発に携わったからなんです。
その当時は、ABS専業メーカーでした。
このB14サニーから、世界で2番目の第3世代ABSの担当を命じられ
ました。
世界で1番目は、ナントあのポルシェでした!
国内ではもちろん初のシステムです。
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第一世代は、初代シーマなどに搭載された、20キロ近くの重量がある
もので、第二世代はP10プリメーラなどに搭載された10キロ弱の
システムでした。
この第3世代はABS5シリーズと呼ばれ、多分ポルシェがver5.1だった
のでしょうかね?サニーは5.2と呼ばれました。
アタッチドECU、すなわち油圧ユニットにコンピューターがくっついた
もの(1年後に登場)が5.3シリーズでした。
富士重工のレガシィーが日本初搭載でした。

ユニットが装着された部分に於いても、エピソードがありましてね。
設計図通りに作ったとしても、試作車にいざ付けてみると。。。
入らなかったんですよ。
どうしたものかと考えてると、日産の技術さんがハンマーで、試作車
(ホワイトボディー)を叩き始めました!
このホワイトボディーですが、一説によると十数億円かかっているらしい
代物なんです!
「このくらい凹ませればいいですよね」なんて簡単に言ってのけられます!
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一つのクルマに部品メーカーが数百社関わります。
このすり合わせから試作が始まっていくわけなんです。
まあ、工場試作まで数百枚の資料を作成し、耐久試験だの塩水噴霧試験だの
水没試験だの、各種様々な品質向上を切磋琢磨してブラッシュアップさせて
いくのです。

無事に試作が終わり、生産開始したときには感無量でした。
毎日のように開発センターや試作現場へ行き、まったく新しい小型軽量の
システムでしたので、細心の注意を払いました。
試作現場へ行くには何度もセキュリティーチェックを受けますが、
わたしだけ「顔パス」で入門できるほど、密着していたのです。(笑)
まだのんびりした、いい時代でした。(笑)
いまではムリでしょうねぇ~

しかしですね、ラインで生産が始まって半年あまりで、生産工場であった
座間工場は閉鎖。。。
全車九州工場に移管されました。

なんとも、わたしの若かりし頃の、思い出のクルマです。
まだまだ現役で頑張ってもらいたいです!